孤高のメス―神の手にはあらず (幻冬舎文庫)(全4巻)
孤高のメスー外科医当麻鉄彦(幻冬舎文庫)の続編である。そして時代も1990年前後である前作をそのまま引き継いでいる。
脳死肝移植を成功させた当麻鉄彦は、亡き母を恩師と崇める台湾の病院の理事長に招かれて働き始め、その実力を発揮しはじめる。それに対し、当麻の去った甦生記念病院では、後任の外科医長が次々と問題を起こし、ついに医療事故を起こしてしまう。そして地域医療の志を持っていた院長の病気、など、崩壊の道を辿り始める。また、当麻の婚約者の翔子にも…
前作「孤高のメス」(幻冬舎版)は、今からおよそ20年前頃にストーリーが作られた物語である。それから20年経って、その後の著者の経験や人生を元に、当麻鉄彦のその後を書きたくなったのではないかと思う。この話にも、著者の理想とする外科医の姿が、当麻鉄彦と彼と親交のある外科医に盛り込まれている。外科医の手は「神の手」であらねばならない、と言われるが、前作ではまさしく当麻の手は「神の手」であった。今作で、理想の外科医を作り上げながらも、サブタイトルの「神の手にあらず」が象徴するものは、この20年の間に著者が様々な経験をして実感したことであろう。理想と現実には常にギャップがある。それを埋めるために必要なものは、「神の手」と、「神の手には非ずという思い」の両方である、ということを語りたいのではなかろうか。
脳死肝移植を成功させた当麻鉄彦は、亡き母を恩師と崇める台湾の病院の理事長に招かれて働き始め、その実力を発揮しはじめる。それに対し、当麻の去った甦生記念病院では、後任の外科医長が次々と問題を起こし、ついに医療事故を起こしてしまう。そして地域医療の志を持っていた院長の病気、など、崩壊の道を辿り始める。また、当麻の婚約者の翔子にも…
前作「孤高のメス」(幻冬舎版)は、今からおよそ20年前頃にストーリーが作られた物語である。それから20年経って、その後の著者の経験や人生を元に、当麻鉄彦のその後を書きたくなったのではないかと思う。この話にも、著者の理想とする外科医の姿が、当麻鉄彦と彼と親交のある外科医に盛り込まれている。外科医の手は「神の手」であらねばならない、と言われるが、前作ではまさしく当麻の手は「神の手」であった。今作で、理想の外科医を作り上げながらも、サブタイトルの「神の手にあらず」が象徴するものは、この20年の間に著者が様々な経験をして実感したことであろう。理想と現実には常にギャップがある。それを埋めるために必要なものは、「神の手」と、「神の手には非ずという思い」の両方である、ということを語りたいのではなかろうか。
- ISBN
- 978-4344413849商品を見る
- URL
- http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344413857/kanshin-22/ref=nosim
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- http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344413881/kanshin-22/ref=nosim
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- http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434441389X/kanshin-22/ref=nosim
- 商品名
- 孤高のメス―神の手にはあらず〈第1巻〉 (幻冬舎文庫)
- 価格
- ¥600
- 著者
- 大鐘 稔彦
- 出版社
- 幻冬舎
- 発売日
- 2009-10
- URL
- http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344413849/kanshin-1-22/ref=nosim