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Interface (インターフェース) 2010年 10月号 [雑誌]

CQ出版社の雑誌、インターフェースは、この2010年10月号で400号となった。この号の特集は400号記念で「進化するコンピュータ・アーキテクチャの30年」であった。本誌はトランジスタ技術の別冊として1974年に創刊しており、以来36年を振り返っている。プロローグの章には、世間のできごと・新技術・雑誌の特集の流れが年代毎にまとめられている。

・1970年代は「ミニコンと8ビットCPUの時代」であり、ミニコンの内部と周辺回路に始まり、6800や8080など8bitCPUを使いこなすなど、ボードとアセンブリ言語の時代であった。

・1980年代は「16ビットCPUとC言語, OSの時代」であり、68000, Z8000, 8086, CP/M, CP/M-68K, C言語、組込みリアルタイムOS(リアルタイムモニタ)、UNIX、クロスアセンブリ開発が記事の主なキーワードである。

・90年代は「インターフェースとネットワークの時代」であり、記事はx86MS-DOSとスタンダードが決まってしまったCPUとOSから、バス、SCSI、VME、RS-232Cなど、インターフェースそのものの記事が増えた。そして、インターネットの普及に伴い、Ethernet, TCP/IP, UNIXネットワーク、などの記事も出現した。私が初めてインターフェース誌を買ったのは、90年代前半のインターネットの特集だったと思う。

・2000年代のインターフェースは「RISCと組み込み技術」と名付けられている。しかし、それは、ハードもソフトも買ったりダウンロードする時代において、エンジニアが積極的に介入する分野が組み込み技術と呼ばれて注目されるようになっただけで、創刊当初からエンジニアとコンピュータの接点を変わらず取り上げる姿勢は変わっていない、という。また、技術者に必要とされる分野は、バスなどの新しいインターフェース、Linux、無線、USB、メモリカードFPGAなど新しいデバイス、など多岐に渡り、特集内容も多彩になっていく。

このプロローグの後、プロセッサ、ボード構成とアーキテクチャ、周辺部品、OS技術、プログラミング言語、について詳しく歴史を振り返った記事が並ぶ。

私はエンジニアではないのだが、特に80年代後半から横目で眺めてきた技術回顧録として、非常に面白い特集だった。技術を取り扱う雑誌の出版は経営上苦しいと聞くが、こういう雑誌があってこそ、その分野に新しく入る人が出てくると思う。時代に応じてテーマは変わっていくが、どの時代にもcutting edgeは存在し、そこに注力する人材も必要であり、技術誌がこれからもエンジニアを支えてくれることを願う。

以下はインターフェース誌のweb site。
メーカー
CQ出版社
年(代)
月刊
商品名
Interface (インターフェース) 2010年 10月号 [雑誌]
価格
¥1,130
出版社
CQ出版
発売日
2010-08-25
URL
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003XROSCS/kanshin-1-22/ref=nosim